太陽王子と月の王女



今回の結婚指輪のご依頼は作家のおふたりから。


ふたりは双子だと思った。

もともと一個だった心臓を右と左で分けたようなふたり。


タイトルの太陽王子と月の王女の意味は、

ギリシャ神話に登場するアポロン(太陽の男神)と

アルテミス(月の女神)のことで、2人は双子の神様だそうな。


綿毛の時はゆらゆらと空を飛べたいたのに芽が出て根を張り大きくなると

自由でなくなってしまう様に子供の頃に見えていた世界を大人になるにつれて忘れてしまう。


ふたりの作るものは今慌ただしく生きている世界と並行して

見えなくなってしまった世界がちゃんと存在してることを

思い出させてくれる。


子供の頃に見えていた世界とか、感じてた手触りや匂いを

いまだに大事に持ってるからそこに物語性があって人に

響くんだろうな。


おふたりには死ぬまで作り続けて欲しいと心の底からおもう。


素材はK20イエローゴールドとプラチナ950。


ふたつとも一般的なものよりすこーし柔らかい地金で

作ることで長年使っていくといい感じに表面が傷ついてきて

それが顔のシワになって指輪も同じように歳を重ねていき、

太陽王子と月の王女はやがて太陽王と月の女王になる。



末永くお幸せにー!





余談ですが、アポロ11号が40万キロも離れた月に向かって飛んでいったのは

アメリカがアポロンとアルテミスの劇的再会という演出をしたかったのかなどと

想像すると少しグッとくるものがある。

ちなみに現在のアメリカが行なっている有人宇宙飛行計画の名前はアルテミス計画だそう。

人類が宇宙に想いを馳せるのは今も昔も変わらんな。


さらに余談ですが、澁澤龍彦の「太陽王と月の王」というエッセイから今回のタイトルを少し拝借した。

22、3の時にこの本を買って読んだけどいまいちピンとこず箱にしまってあったものを引っ張り出してきて

久々に読んだ。本の内容は今回の指輪とまったく関係ないがとてもおもしろかった。

その後澁澤の本を何冊かAmazonでポチったのでまたぼちぼち読んでみようと思う。

​過去の記事