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旧友から結婚指輪のご依頼。 今回の指輪はプラチナを使用しその表面に金消しと言う技法で

純金を何層にも重ねて定着させてあります。

先に言ってしまうと、表面のゴールドはゆっくりと剥がれてゆきます。 年月を重ねていくうちにゆっくりと剥がれてゆき、

やがてプラチナの色になってゆきます。

長い付き合いですので彼の性格はある程度分かっているつもりです。 きっと彼らが生きて行くにはまことに生きにくい時代かもしれません。

なぜならこの時代を生きるには彼らは不器用で、優しく、清い心を持ちすぎているから。 僕はそう思います。

しかし、何かにつけてこの急ぎ足の時代の中で自分たちの

歩く速さを早める必要はないと思いました。

1=1皮の意。 100=100年の意。

100年とは実時間の100年ではなく 八百万(やおよろず)の百。いっぱいという意味、

転じて2人の人生が終わりを迎えるまでという意味です。

表面がはがれてゆくのは「一皮むける」という意味を込めました。

つまり、なにも急成長しようとせずとも2人の人生が

終わりをむかえるまでに1枚だけでいい

どうかまわりを気にせず2人のペースでゆっくり時間をかけ

一皮むけるような人生を歩んでほしいと願いを込めて今回の指輪を作りました。

彼らの家に飾られている「ぼちぼち」という書き初め。

とても良い言葉だと思います。

2人の人生が終わりをむかえる頃には

今とは違った指輪の表情が見れることでしょう。

僕も楽しみにしています。 末永くお幸せに。

Pt950/純金

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