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LESS IS MORE

普段作ってる作品とは別ですが 結婚指輪のデザインに関して言えば LESS IS MOREの精神は切っても切れない関係だと思う 日本には長らく装身具を身につける文化はなく 指輪や首飾り、耳飾りを日常的に付けるように なったのは明治以降ヨーロッパの文化が入って きてからであって、一般人が結婚指輪をつける という文化が定着したのは100年にも満たない ただ、僕は結婚指輪をデザインさせたら 日本人が一番向いていると思っている 日本文化、意匠の根底に流れている 引く美しさ、間の美しさ、侘びと寂びなどの 精神はとても相性が良い 日本人は有限の中に無限の世界を創り出すことに 長けている民族で、その有限の制約が小さければ 小さいほど、狭ければ狭いほど大きな宇宙を創る 例えば 俳句の十七文字の中に 茶室の小さな部屋の中に 能の無表情な能面の中に 落語の座布団一枚の上に だから指輪という有限はまだまだ可能性を秘めているし もっと深掘りできる余地がある 打ち合わせの中で「見えない存在感」という言葉を くださいました。ペリドットとダイアモンドは おふたりのご希望で入れさせていただき断面に 石を留めてチラ見せ。向かい合った石同士が おふたりにも重なるし、空いている隙間が建築や 話方などで何かとニッポン人が大事にしている 「間」を表し、お互いのいい距離感を表す LESS IS MORE(少ないことはより豊かなこと) 作らせていただいた指輪がこれからの 豊かな人生の一部になりましたら幸いです 末永くお幸せにー!




Pt950,diamond, Peridot




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