top of page

S.U.S

10月6日
読了時間: 3分

更新日:7 日前




結婚指輪は、左手の薬指につけるもの。


そんな当たり前のように決められた場所ではなく


ふたりが選んだのは小指だった。



小指に指輪をつける歴史は古く、


古代エジプトや古代ローマにもその実例や記録が残っている。



当時の指輪には装飾だけでなく、印章など


「自分が何者であるか」を示す役割を持つものもあった。



そして現代では、ピンキーリングは


願いや幸運を託す指輪としても親しまれている。



「自分が何者であるか」を示すこと。



「願いを叶える」こと。



その二つを重ねて考えると、今回のピンキーリングは


「自分たちらしくあることを叶えるための指輪」


なのかもしれないと思った。



二人が同じ方向を向いて並んだとき、それぞれの小指は


二人の身体の中でもっとも近い場所にある。



向かい合ったときではなく


同じ方向を向いたときに一番近くにある。


これから夫婦として前を向いて歩いていく二人には


とてもぴったりな場所だと思った。



「正しく古いものは、永遠に新しい」



スウェーデンの画家、カール・ラーションの言葉。



今回の指輪には、古くからジュエリーに使われてきた


ゴールドと、近代になって生まれたステンレスを組み合わせた。



そして石には、人工石を。


人工石というと天然石の代用品というイメージを持たれることもある。



けれど人間は5000年以上も前から、


天然石の色や輝きをガラスなどを使って再現しようとしてきた。



「自然の美しいものを、人間の手でも生み出したい。」



そんな途方もなく昔からある人間の欲望が、


近代になってようやくひとつの形になったものが


人工石なのだと思う。



そして人工石には、天然石ほど長い歴史の中で


積み重ねられてきた「石言葉」がない。



意味がないのではなく、


まだ意味が決められていない余白がある。



誰かが決めた意味ではなく、


これから過ごしていく時間の中で、


この石にふたりだけの意味が生まれていけばいい。



5000年前につくられ、今では博物館に


並んでいるような指輪も、その時代にはきっと最先端で


モダンなジュエリーだったはず。



では、5000年後の今を生きる僕たちにとっての


「モダン」とは何なのか。


今の僕たちだからこそ使える素材は何なのか。



何千年も前から使われてきた貴金属と、


近代になって生まれたステンレス。



自然がつくった石と、


人間が作り出せるようになった石。



古いものと新しいものを分けるのではなく、


ひとつの指輪の中に、同じ時間として存在させる。



「正しく古いものは、永遠に新しい。」



1000年後、2000年後、この指輪が古いものになったときにも、その時代の誰かが見てどこか新しいと感じてくれたら。


そんなことを考えながらつくった結婚指輪。



今回のタイトルは指輪の素材として使ったステンレス鋼の表記「SUS」から、その三文字を借りた。



Still Us, Side by Side.



- これからも私たちらしく、隣り合って -



一番小さな指でする、一番大きな指切りげんまん。



末永くお幸せにー




750yg, SUS, Lab-Grown Diamond

 
 
 

コメント


​過去の記事
bottom of page