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二重螺旋



考えてみたら昔からうずまきとか螺旋とかぐるぐるしたものが好きでチラシの裏に

うずまき状の迷路をひたすら描いていた。


覚えている限り人生で初めてのうずまき体験は幼稚園にさかのぼる。

人生で初めて独楽をもらって、自分の身長ほど長い紐をぐるぐると独楽に巻きつけ

勢いよくビュンと振り抜くと、コマが数十秒間だけ世界から切り離され無重力になったかのように自立する。

まっすぐ伸ばすとながーい紐も、うずまきになると手のひらの上にすっぽり収まる。

コンパクトになったうずまきのなかには超エネルギーを生み出す秘密が宿るとその時学んだ。

これがいわゆる1994ファーストスパイラルショック(1994年第一次螺旋事件)である。


螺旋という形には情報とエネルギーとロマンが詰まっていて例をあげればキリがないほど自然界では

いたるところに見られる形であり、生物のあらゆる情報が詰まっているDNAの二重螺旋もまた然り。

この度ご依頼いただいたおふたりは生物に造詣が深い方々でしたので

このDNA二重螺旋をおふたりの姿に重ねて指輪をお作りした。


昨年、アニメのゴールデンカムイを熱心に観た。

アイヌ文化のへぇポイントがちりばめられていてとてもおもしろく一気に観た。

そんなタイミングで北海道の方からご連絡。アイヌ文化も気になっていたので打ち合わせも兼ねて北海道へ。

アイヌ資料館へも足を運び、カムイとは神と訳されるが僕が思っていたよりもっと広い意味を含んでいることや

文化の継承法など興味深いものがたくさんあり少し賢くなって帰ってきた。


話は変わって「神は細部に宿る」という言葉がある。

いろんな人が使いすぎてて元ネタ誰なんってなってたけどどうやら建築家ミースファンデルローエ氏の

お言葉らしい。とても的を得た言葉で初めて聞いた時はなるほど!と思った。が、ジュエリーを作っていると

この言葉が当てはまりにくい時がある。物がちっちゃいが故に全体と細部の境界線がとても曖昧なのだ。

というより全体が細部であり、細部が全体であって、もっと言えば細部か超細部しかないのかもしれない。


そういう意味では、今回K20イエローゴールドでお作りした二重螺旋の指輪は

細部に神が宿ったゴールデンカムイとなった。



末永くイナンクルー!









K20YG

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